焼き物はよく陶磁器と呼ばれますが、大きく分けて陶土を使う「陶器」と磁土を使う「磁器」にわかれます。成分や歴史などについては他のページにも書いてあることが多いので、ここでは質感や特性についてご紹介いたします。

陶土・陶器

陶器の温かみ

おそらく皆さんが陶芸と聞いて思い浮かべるのは陶器だと思います。少し厚みがあってぼってりと温かい感じがする、と言葉で説明するのは難しいですね。

陶器作品「ストレートお香立て」(2014年 堀内渚)

これが「皆さんがよくイメージする焼き物の堀内のイメージに近いもの」です。

陶器の色と質感

陶土の中でも赤く出るものと白く出るものがあります。白土と呼ばれるものでも真っ白ではなくクリーム色なので、上の写真のように釉薬(ゆうやく・うわぐすり)が渋い感じにでるのも特徴です。

無釉薬だとまた雰囲気が変わりますが、こんな感じでやはり土っぼいですね。粒子が大きいので磁器と比べると無釉部分がざらざらしているのも特徴です。

陶器作品「ハウスキャンドルホルダー」(2016年 堀内渚)

磁土・磁器

真っ白な磁器

MIGIWAが多く使うのは磁土です。磁土で作られる磁器の特徴はなんと言ってもその白さ。ご家庭にある真っ白いお皿(ない方はヤマザキ春のパンまつりで代替イメージとしてください)、あれは磁器です。

磁器「鋳込み変形花器」(2020年 堀内渚)

ロックカップは磁土の中でも温かみのある白ですが、写真などでいうところのホワイトバランス・色温度が少し低いだけでほぼ真っ白です。釉薬をかけていないのでしっとりとした質感になっています。

ロックカップイメージ写真
磁器「ロックカップ(Ver.2)」 (2018年 堀内渚)

磁土にはガラス質が多く含まれる

磁土の特徴として、陶土よりもガラス質が多く含まれることが挙げられます。陶器は「土モノ」、磁器は「石」と呼ばれるのはこのためです。

陶土と比べて硬度が高いので、薄く作っても丈夫という特徴もあります。陶器はぼってりと厚みがあると書きましたが、薄くすると欠けやすいために仕方ない部分もあるんですね。

陶土よりも釉薬が鮮やかに出る

磁器も釉薬がかかっているものとかかっていないもの(無釉)でイメージが違いますが、釉薬をかけたときも陶器よりも明るい色が出るのが特徴のひとつです。

磁器作品「鋳込み変形花器・トルコ釉」(2017年 堀内渚)

これはやはり地が白だからです。水彩絵の具で真っ白い紙に描いたときと色紙に描いた場合を思い浮かべていただけると分かると思います。