練込という陶芸手法について

この記事は古いサイトからの移行なのでキャラやテンションがおかしい可能性があります。
ご了承下さい。

私が現在、主な作陶手法としている「練込」について
少しみなさんにご紹介したいと思います。

練込とは、通常の絵付けや釉薬での色付けと違い、
予め色土を用意して、それを組み合わせて模様を作っていく手法です。

ちょうど半磁土で薔薇の小皿を作った時の工程の写真を
先生にたくさんとっていただいたので
写真を用いて手順の一例をご紹介します。


 

まず、色土を用意してグラデーションを作成します。

練込:色土作成

トルコの練込顔料を使って、トルコ5%から白のグラデーションを作成しました。

出来上がったグラデーションから、
花びらの元になるパーツを作ります。

練込:グラデーション

ちなみに磁土の場合で言えば、水分調整から色土の作成までだけで
先日は2時間かかりました……

作った花びらを、長さ順に水で接着します。

練込:パーツの接合

接着した花びらを、ロールアップしていきます。


練込:巻き上げ 練込:巻き上げ

巻き終わって、薔薇の模様ができました。
半磁土などの陶土の場合、1週間ほど寝かせます。

008

 

5mm厚にスライスします。きれいな薔薇模様が見えてきます。練込:スライス

これを石膏型にかぶせて、お皿の形にしていきます。

練込:成形

その後、素焼きしたあとヤスリがけして、透明釉薬をかけて本焼きしてできあがりです。

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ご覧のように練込は、作陶初期から想像力を必要とします。
色の調整・どんな模様になるのか・目指す模様に
近づけるにはどのような手順を踏むか。

手間がかかるぶん、普通の色付けではできない
複雑で美しい模様ができるのが練込の魅力です。

ひとつの模様の塊からは何枚か同じ模様がとれますが
決していつでも同じ模様ができるとは限らないのも
一点ものとしての魅力につながっています。

対面販売では、磁器練込を中心に素敵な作品を
たくさんご用意できればと考えています。

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