私が現在、主な作陶手法としている「練込」について
少しみなさんにご紹介したいと思います。
練込とは、通常の絵付けや釉薬での色付けと違い、
予め色土を用意して、それを組み合わせて模様を作っていく手法です。
ちょうど半磁土で薔薇の小皿を作った時の工程の写真を
先生にたくさんとっていただいたので
写真を用いて手順の一例をご紹介します。
まず、色土を用意してグラデーションを作成します。
トルコの練込顔料を使って、トルコ5%から白のグラデーションを作成しました。
出来上がったグラデーションから、
花びらの元になるパーツを作ります。
ちなみに磁土の場合で言えば、水分調整から色土の作成までだけで
先日は2時間かかりました……
作った花びらを、長さ順に水で接着します。
接着した花びらを、ロールアップしていきます。
巻き終わって、薔薇の模様ができました。
半磁土などの陶土の場合、1週間ほど寝かせます。
これを石膏型にかぶせて、お皿の形にしていきます。
その後、素焼きしたあとヤスリがけして、透明釉薬をかけて本焼きしてできあがりです。
ご覧のように練込は、作陶初期から想像力を必要とします。
色の調整・どんな模様になるのか・目指す模様に
近づけるにはどのような手順を踏むか。
手間がかかるぶん、普通の色付けではできない
複雑で美しい模様ができるのが練込の魅力です。
ひとつの模様の塊からは何枚か同じ模様がとれますが
決していつでも同じ模様ができるとは限らないのも
一点ものとしての魅力につながっています。
対面販売では、磁器練込を中心に素敵な作品を
たくさんご用意できればと考えています。